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当窓口では仙台市泉区で不動産売却を検討されている方に向けて情報発信を多く行っております。売却金額のデータや事例、お得な情報、不動産売却の方法など、たくさんご紹介していますので、こちらもご参考になさってください。
慶長5年(1600年)に伊達政宗が当時の地名『千代』を【仙台】と改め居城としてから289年後の明治22年(1889年)に仙台市が誕生しました。(当時の人口86,352人余)
ご存じの通り泉には泉市と言う市が存在しておりましたが、仙台市の政令指定都市移行と合わせて泉市の区域がそのまま泉区となりました。誕生は1989年(平成元年)の事。
泉エリアは急激な仙台圏の人口増加に併せてそのベッドタウンとして発展を続けてきました。
昭和30年代前半から黒松団地が造成スタート。その後も大規模な団地として、南光台、将監、向陽台、鶴が丘、松森、泉パークタウン、長命ケ丘、加茂、住吉台、泉ビレジ、中山、みずほ台などなど。
2022年6月1日現在で推計人口が210,713人。
今年も、泉パークタウン「朝日」エリアの造成が完了し話題になりましたね。
この泉区、道路を挟んで青葉区、宮城野区と言う場所もありますので、当然一概に不動産の価値を一括りには出来ませんので今少し細かく地域を見ていきたいと思います。富谷市ともかなり隣接面積が多いのも特徴ですね。
泉区で一番地価の高いエリアは泉中央付近。その次が八乙女付近です。皆様ご想像の通りですね。
泉中央駅は、仙台駅に次ぐ利用者数が多い駅です。開業が1992年(平成4年)と遅かった訳ですが、そのせいか付近の当時は開発が全然進んでおらず未開のまま大地主さんが多く存在したというのが大きな特徴で、現在も大きな土地の多くを当時からの地主さんが所有されております。泉中央駅にすぐそばの皆さんご存じのあの商業施設も当時からの地主さんが所有しているものです。
実勢価格として、駅至近の場所で坪500万円~ としますが、一般の方はお持ちではないでしょう。
駅から300メートルくらい離れている所から見ていきましょうか。
公示価格(基準価格含む)はこうなっています。
泉中央1丁目27番7 76万3636円/坪
泉中央4丁目29番9 62万8099円/坪
泉中央3丁目27番12 84万9586円/坪
実勢価格(実取引価格)は、公示価格より当然上(高い)のが一般的ですが、そんなに差が無いのが印象ですね。
八乙女中央5-24-25 43万3057円/坪
八乙女中央3-11-12 34万0495円/坪
こちらは逆に、公示価格がだいぶ低い(安い)印象です。
実勢取引は八乙女駅前であれば坪80から。少し離れても坪50万円はするでしょう。
マンションやアパート等が多いので一般向けの住宅は非常に少ないですね。地下鉄と言いながら地表に出ている八乙女駅周辺の地下鉄ですが、その付近は地価が思ったより地価があがらないようです。買う側としたら狙い目で。売る側としたらもう少し頑張って保有していた方が良いかもしれません。
続いて、もう少し仙台駅側の方(南側)へいってみましょう。
先に黒松 旭丘堤 南光台の公示価格(基準値含む)を見てみましょう。
黒松2-4-16 34万7107円/坪
旭丘堤2-15-22 38万6776円/坪
南光台4-24-33 33万0578円/坪
似た数字が並んでいますが、大雑把に、さらに単純にお示しすると地下鉄までに距離がそのまま価格に跳ね返ってきている感じです。
実勢価格については、駅に近ければ坪45万円~55万円。駅から離れるについて、すこーしづつ下がっていき、南光台南の方で坪35万円前後でしょう。狭い道も少なく個体差は出にくいエリアです。やはり駅に近い、これは正義ですね。
松森周辺は、かなりエリアが広くその多くが調整地域や準工業地域を含みますので簡単にご紹介いたしますが、エリアとしては国道4号線泉バイパスにアクセスの良い土地が多く、住宅用地として出れば割とすぐに売れるエリアです。坪20万円~35万円くらいまでと幅は出てきます。
続いて
七北田 友愛町 市名坂 付近はどうでしょうか。
スターバックスがあったりマクドナルド、大型の病院も近く、飲食店も多いですね。
泉中央付近の次に皆様住みたいエリアではないでしょうか。
泉ヶ岳線の沿線に見られるような完全に商業施設向けの土地は一般の方がお持ちのケースは少ないですが、まだまだ田の状態でお持ちの方も多いのがこのあたりのエリアですね。泉中央の地主さんがいっぱいあちこち売却をしたければ、この付近の土地は手放さずお持ちになられていたりします。
市名坂、七北田の良い場所であれば、坪60万円~80万円 友愛町は完全に一般住宅向けの宅地ばかりですから、坪35万円~45万円ほど。友愛町の宅地は一コマ一コマが大きいですから当時お求めになられた方は確実に買った時よりも高く売れるでしょう。欲しい人がたくさんおられますが、川が近すぎるので敬遠される場合もあります。
公示価格(基準価格含む)を見てみましょう。
七北田字東裏148番4 35万0413円/坪
友愛町93番 33万7190円/坪
市名坂字御釜田148番7 26万4462円/坪
友愛町の公示価格は結構高く感じます。公示価格が高い=固定資産税が高い ですからお持ちの方は大変でしょう。市名坂でも泉中央駅に近いエリアは坪60万円オーバーはするでしょう。
さらに東側のエリアも見ていきましょう。
松陵 鶴ケ丘 山の寺 向陽台 付近はどうでしょうか。
かなり範囲を広く見てしまっている印象がありますが、公示価格はこうなっております。
松陵5丁目5番5 6万8000円/m2 22万4793円/坪
鶴が丘4丁目18番5 6万2000円/m2 20万4958円/坪
山の寺1-26-21 5万3500円/m2 17万6859円/坪
向陽台3-19-6 6万7000円/m2 22万1487円/坪
です。商業施設が近くにあるか、バス停は近いかなど、個体差は当然あるにせよ意外と金額に差が出ていますね。山の寺は団地として古いので、道幅が基本的に狭く、また高低差もあるので、実勢価格もあまりあがりません。坪18万円~28万円程度で、坪30万円を超えるケースは少ないと思います。
鶴ケ丘も団地としては古いですが、作りは良いですよね。ただし同じく意外と高低差がありますので、移動が大変です。実勢価格としては坪20万円~30万円の幅がほとんどかと思います。
向陽台、松陵は今の2団地と比べたら利便は良いと思います。実勢取引としては坪25万円~35万円の間には収まっているでしょう。
松陵団地が造成・販売開始したのが昭和60年(1985年)です。
当時30代で土地を買った人がようやく70代、80代になったばかり。つまり今だと売り物が非常に少ない状態です。これから売り物がどんどん増えていくでしょう。
売り物が増えれば当然価格は上がりにくくなります。(公示価格とは別です)
ちなみに鶴ケ丘団地は1976年に分譲が開始されています。松陵より10年は早いですね。2022年現在で鶴ケ丘団地から売り物がかなりの数出ておりますが、つまりそう言う事です。高齢化社会は止まる気配がありませんから、そろそろ不動産の売り物がどんどん出てきてもおかしくない頃合いですね。
少し泉中央駅付近に戻りまして、
将監はどうでしょう。将監だけで13丁目まであり、将監殿も含めると広大なエリアです。
北側は国道4号線傍まであり、実勢価格で泉中央駅に近い1丁目、2丁目、9丁目!で、坪40万円~80万円ほどの高値が付くでしょう。特にアパートやマンションを建てられるエリアは高値での取引の期待が出来ます。
そこから駅から離れるに従い実勢価格は下がりますが、11丁目、12丁目、13丁目付近でも坪30万円~35万程度は超えるでしょうが40万は期待できないかもしれません。公示価格はほどほどに高いですが・・・
公示価格(基準価格含む)はこうなっています。
将監1-28-16 29万4214円/坪
将監7-4-15 35万7024円/坪
将監殿5丁目7番3 32万0661円/坪
続いて、明石南周辺はどうでしょうか。
大沢周辺は住宅地がほどんど見られないエリアですので省略致します。実勢価格が気になる方は個別にご相談下さいね。
明石南2丁目7番4 26万9421円/坪
となっており、向陽台よりは確実に高値が見込めるエリアです。
造成・販売開始されたのが比較的新しいので売り物が少なく、新しいため街並みは綺麗です。
この辺こそ公示価格はあまり参考にならずに 実勢価格で坪40万円オーバーが期待できます。
ちょっと行くと富谷市ですから、仙台市にこだわる方にもおすすめですね(学校の問題など色々ありますので)
泉が丘 周辺もご紹介しましょう。
比較的お求めやすい金額で販売されていることが多く、注文住宅を検討される方の多くはこのエリアも検討されるのではないでしょうか。
割と広いエリアですが、実勢価格で坪15万円~35万円程度と幅があります。ヤマザワが無くなったりしておりますし、将来性は不安ですね。2丁目から富谷市富ケ丘に向かっての土地であれば、道路が狭い等特別悪い条件でなければ、坪25万円~でしょう。坪40万円の値段はなかなかつかないと思います。
公課価格(基準価格含む)を記載しておきます。
泉ケ丘1-12-8 23万5041円/坪
泉ケ丘4-4-8 22万1487円/坪
泉パークタウンは最後に回すとして、先に
虹の丘 長命が丘 加茂 の辺りをいってみましょう。
いずれも大型団地ですね。
虹の丘3丁目10番1310万1000円/m2 33万3884円/坪
加茂4丁目13番3 7万2500円/m2 23万9669円/坪
長命ケ丘1丁目10番9 7万3000円/m2 24万1322円/坪
この3つをまとめるのは少し乱暴で、虹の丘は少し別格でしょうか。
実勢価格を少し書きますと虹の丘で 坪30万円~35万円程度
加茂で20万円~30万円 長命が丘で25万円~35万円程度ですかね。
いずれの団地も一つの宅地が大きめですから、高値では売りにくいケースが多いです。
坪30万と一口に言っても、100坪ですと3000万円ですから、一般の住宅を求める方は高すぎて買えませんね。分譲住宅専門の会社さんに買ってもらう事になるでしょうが、そこまで高値は期待出来ません。
「程よい土地のサイズが高値で売れる」のです。
ところで、旧徳洲会病院付近から、泉区野村にかけての調整区域のエリアが用途変更となり区画整理事業がはじまるようですね。
いよいよ、野村周辺の広大な調整区域にも手が入るようになりそうです。
(最近ですと太白区富沢駅周辺も区画整理がありましたね)
泉ビレッジ周辺はまだまだ新しいエリアですので、不動産売却をお考えの方少ないでしょう。
館 北中山 南中山 周辺ですね。
南中山は商業施設が多く結構「賃貸でも住みたい」言う方の声を多く聞きます。公示価格の記載は省略しますが実勢価格で坪28万円~40万円程度まで見込めると思います。東北道から外側の館、北中山、西中山はなかなか価格が上がっていませんね。
さぁ、いよいよラストは「泉パークタウン」です。
第1期エリア「高森」は1974年分譲開始 その後2期に寺岡 高森の残りが3期。
4期に桂エリアそして5期が紫山。最終?6期が今年造成工事が終わった「朝日」エリアです。
朝日、と言うネーミングがどうにかならなかったのかな、と思わなくはないですが、ほぼ根白石のような地理位置ですし原点回帰的な意味があるのかないのか・・・
高森、寺岡と不動産売却のご相談が増えてきましたが、その他のエリアはまだまだ新しいのであまりご相談はありません。売り物もまだほとんどありませんね。
容積率・建ぺい率が厳しい場所も多いのと、地区計画ががっちりとありますので、売却するのが意外と大変なエリアです。(大変と言うのは高値では売るのは時間がかかる、と言う意味です。お金持ちしか買えません)
寺岡で坪25万円~35万円 高森は坪28万~坪35万円 といずれも坪40万円を超える価格で売るのは大変かと思います。桂はどうでしょう。坪35万円~ですかね(面積が大きい宅地が多いので難しいデスね)
紫山も土地のひとつ一つがかなり大きいです。法律上小さくできないからしょうがないのですが、お金持ちしか買えないですから時間をかけてゆっくり高値で販売活動をするのが良いでしょう。坪30万円は見込めます。(それでもほとんどの土地が100坪を超えていますからどこを選んでを買っても3000万円アップですね)
代表地点の公示価格(基準価格含む)を見ていきましょう。
高森8丁目7番12 29万6198円/坪
寺岡1丁目18番26 28万9256円/坪
桂2丁目15番11 33万0578円/坪
紫山1丁目21番6 28万0991円/坪
土地が広くてアパート、マンションが自由に建てられれば土地の価値も上がるのですが、そうはいかないのが泉パークタウンエリアです。地区計画がびっしり細かく設定されており、まさに閑静な住宅街!そのものです。これから交通の利便の悪いエリアを販売・開発を続ける会社さん(例の大手さん)単純にスゴいでよね。これからどう発展していくでしょうか。
さて、
だいぶボリュームの多い記事になりましたがいかがでしょうか。皆様にご参考にしてもらいたくて実勢価格を書いておりますが、当然ながら、個々の土地により金額は微増減しますし、面積や道路付けにより実勢価格がそのまま当てはまらない事の方が多いですご注意して下さい。
不動産のプロが見るのは、主に実取引価格、将来性や傾向などですが、一般の方は「一部の実取引データを拾う事」しか出来ないかと思いますので、当ブログでも何度も書いた実勢価格がわからないかと思います。
不動産はオンリーワンのモノで世界に一つしかありません。実勢価格がいかにデータとして出ているとしても、3年前のデータでは「参考」にしかなりませんし、道路を挟んだ向かいの土地の値段を単純にそこから算出は出来ません。
本ブログでは実勢価格の他に公示価格(基準価格含む)も併せてお示ししました。
公示価格はピンポイントで住所まで記載されるので、自分の家が公示価格の地に選ばれている場合もあります。下の画像は公示価格とは別に『固定資産税路線価』の数字を地図上で表したものです。
八乙女に近い上谷刈周辺の固定資産税路線価です。右側(東側)が八乙女駅に近い場所ですが左側(西側)に行くごとに全体的に数字が低く出ています。誰かの主観や個々の事例とは別に、客観的なデータとして駅から近い方が不動産価値が高い事がわかりますね。画像右下のヴェルビュと言うマンションすぐ下の路線価は74400円(㎡)です。画像一番左のみずほ台西公園付近は57700円(㎡)です。1.3倍の差があります。みずほ台西付近の土地が1000万円で売れた場合、ヴェルビュ付近の土地は最低1300万円で売れそう、と推察出来る訳です。単純に比率の話ですが、公示価格や路線価をそのまま使うわけではありません。あくまでも指標です。
上谷刈周辺の実勢価格は、坪35万円~45万円ほどです(坪です。平方メートルではありません)
不動産会社さんは実勢価格を算出する際の「参考」としてこういったデータを参照します。でもこれが全てではありませんし、こういったデータを見ない不動産会社さんも多いです。
大事な事は不動産の価値を正しく知る事です。
特に最近は同居していない県外にお住いの息子さん娘さんが相続なさるケースがかなり多いです。
土地勘のない方に対しても丁寧なご説明をし査定金額のご提示をお約束します。建物が付いている場合の査定についても多くご相談頂いておりますのでご安心下さい。
実は不動産の売却は難しくはありません。
難しいのは「相場より高く、通常より良い条件で売る」これが難しいのです。
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筆者プロフィール || 笠原 紀久夫
| | 宅地建物取引士 / マンション管理士 / 賃貸不動産経営管理士 /ほか不動産系資格多数
宮城県仙台市 在住歴 40数年 『宮城・仙台が好き過ぎる宅地建物取引士』として「仙台の不動産そうだん窓口」で多数の案件のご相談に係わっています。
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