慶長5年(1600年)に伊達政宗が当時の地名『千代』を【仙台】と改め居城としてから289年後の明治22年(1889年)に仙台市が誕生しました。(当時の人口86,352人余)
行政区として、平成元年(1989年)に仙台市が政令指定都市になるに際し、広瀬川と名取川の境から北東側に仙台湾までのエリアをまとめられたのが若林区です。そのほとんどが平たんな地ではありますが、仙台湾に近い地は2011年の東日本大震災により、現在も広く人の住めない(家の建てられない)土地となっております。
若林区の北面を見ますと、なんと言っても地下鉄東西線の存在を無視できません。
2015年開業当時も大いに盛り上がりましたが、この1,2年を見てもだいぶ整備や土地の売買が進んでおり、大きな商業施設や大型マンションの建築も進んでおります。
当初の想定より地下鉄の利用数は少ないようですが、人口が増えていることもあり、徐々に利用数は増え、開業時比で200%程度まで上がっています。
さて、人口が増え伴い商業施設が増え利便が良くなると上がるのは地価です。
まずは若林区の高地価エリアから順に公示価格をご覧頂く事にしましょう。
公示価格(基準価格含む)はこうなっています。
新寺1-2-26 231万4049円/坪
新寺3-10-36 82万6446円/坪
新寺1丁目は地下鉄東西線「宮城野通」駅至近ですね。
道路を挟んで榴岡1丁目、2丁目とありますが、宮城野区です。
実勢価格として、新寺1丁目の商業向きの土地で坪500万円付く場所もあるかと思います。新寺も3丁目の方まで行きますと住宅・アパートも意外と多いのですが、坪100万円~120万円くらいの取引も散見されます。
地価の伸び幅も大きく2012年比で200%超えているエリアもありますが、利便がさらに良くなった事や、東北学院大学の建設も大きいでしょう。
地下鉄南北線「五橋」駅の東側、東七番町・東八番町・東九番町も高地価で、実勢価格で坪200~500万円までみられます。学院大学の移転にあわせて、マンション・アパートの建築ラッシュが続いています。
二軒茶屋、連坊付近はどうでしょうか。公示価格(基準価格含む)はこうなっています。
連坊小路61番5外 89万2561円/坪
連坊2-7-6 77万0247円/坪
二軒茶屋1-6 79万9999円/坪
二軒茶屋9-6 61万4876円/坪
二軒茶屋も駅から離れていくと坪60万ほどになっておりますが、【裏柴田町29番5外 69万7520円/坪】のデータもあります。エリアによる差と言うよりは個体差で出てくる幅でしょうか。実勢価格で100万円を超えてくるのはそう多くはないとおもいます。古い町なので道幅が狭かったり一方通行なども多く、まとまった土地も多くはないですね。売り物が出にくいエリアで希少性はあろうかと思います。
続いてご紹介する周辺もホットなエリアです。
公示価格(基準価格含む)
土樋73番2 106万1157円/坪
荒町73番1 89万2561円/坪
弓ノ町23番5 68万4297円/坪
古い建物が取り壊されて新しい建物がどんどん建築されています。荒町商店街にも若い人が増えて活気が出ていますね。
土樋の価格は地下鉄南北線「愛宕橋」駅すぐそばの土地で、用途地域が近隣商業地域です。
用途が良いので、公示価格はあがりがちです。一般住宅用地が無くはないですが、普通の方が買う事はないでしょう。
弓ノ町まで行くと住宅はだいぶ並んでおりますが古い住宅が多く、むか~しからお住まいの方が多いので売り物が出ないし、実際には一般住宅用地としては地価が高すぎるので、アパート等の共同住宅用地としての取引が多いです。高く売れるでしょう。
いずれのエリアも実勢価格として坪80~150万までは期待できそうです。幅はありますが、小ぶりなアパートを建築したい方は今かなり多くなっておりますので、需要は見込めます。
まだまだ利便の良い高地価エリアが続きます。
公示価格(基準価格含む)は以下の通りです。
河原町1-4-6 21万8000円/m2 72万0661円/坪
八軒小路24番2 18万2000円/m2 60万1652円/坪
五十人町25番5 16万8000円/m2 55万5371円/坪
文化町12-22 14万2000円/m2 46万9421円/坪
上記の「河原町・八軒小路」と「五十人町・文化町」の間には東北本線など大きな線路を挟んでいますので、同じエリアとしては見られないですが、比較として見るにはわかりやすいと思い一緒に並べております。国道4号線・286号線・45号線など大きな道路のどちら側か、駅の東か西か北か南か、同じように見えるエリアも地価で見ると結構違います。
いずれにしても、地下鉄東西線の影響は受けており、バブル期まではいかないまでも、同水準の地価まであがっています。個体差はあるにしても駅周辺はさらに新陳代謝が進んで行くでしょうから、地価は上がり続けると思われます。
若林区全般的に用途地域的に大きな建物が建てやすい地が多いです。これも地価が上がりやすい要因でもあるとは思います。全体の単純な平均値を出してもあまり意味はないと思いますが若林区の地価は他区より高いです。
あまり地価が高すぎると不動産売買も一般向けの流通には乗らずに、どんどん表に出ないままの取引が進みます。(それだけ欲しい人がたくさんいるので、一般向けに販売してなくても売買が出来てしまいます)
若林の地下鉄沿線や、仙台駅周辺の土地は一般の人が売り物としてあまり見ないはずです。
文化町・五十人町周辺でも実勢価格は坪65万~80万円ほどかと思われます。この辺も利便良いですよね。
次は北側に少し戻りまして、以下のエリアを見ていきましょう。
公示価格(基準価格含む)はこうなっています。
保春院前丁5番113 63万4710円/坪
椌木通67番4 58万8429円/坪
保春院前丁5番113 地下鉄東西線「薬師堂駅」から約950m離れていますが、一部都市計画道路が整備された事もありその周辺は特に高地価エリアになっています。やはり道路が綺麗になり広くなると地価はあがりますね。こちらも売り物を見るのはすごく少なく、過去さかのぼっても実取引は非常に少ないので実勢価格として価格を出すのは難しくはあるのですが、坪65~80万円程度でそれ以上で売るには時間がかかるでしょう。道路状況が悪かったり土地の形が悪い場合だと坪40万~50万程度までは見られます。
さて、もう少し地下鉄東西線「薬師堂」駅に近いエリアを見ていきましょう。
公示価格(基準価格含む)
白萩町14-18 69万4214円/坪
大和町1-17-5 55万5371円/坪
地下鉄東西線のルートが正式決定したのが2000年。工事開始が2007年でした。
白萩町で公示価格が上がり始めたのが2014年頃から。当然のことながら実勢価格はそれよりも前に上がり始めてはいますが、それでも20014年当時の実取引価格は坪、30万円から、高くても45万円ほど。
今では坪60万円から、マンションが建てられような良い土地であれば坪100万円程度までいってます。
そう狙って土地が買えるものでもないですが、実取引はここ数年で何件もありますから当時買っておけば今では倍以上にはなったでしょう。
もっと東側に行ったエリアも一部大和町ですが、3丁目の公示価格はこうなってます。
大和町3-1-25 64万1322円/坪
仙台駅に近いエリアよりは道路幅も広く元々工業の地域が近いせいか広く抜けている土地がまだまだありますね。この周辺もこの10年毎年5%以上は上がり続けています。
続いて以下のエリアを一気に見ていきます。公示価格(基準価格含む)です。
中倉1-19-14 15万2000円/m2 50万2479円/坪
南小泉2-4-5 13万2000円/m2 43万6363円/坪
遠見塚2-32-8 10万0000円/m2 33万0578円/坪
遠見塚東7-3 8万1500円/m2 26万9421円/坪
ようやく割と現実的に一般の方が買えるエリアのご紹介になります。
とはいえ、この辺もこの10年で150%くらいは上がっているので買うならせめて5年前くらいだったらよかったでしょうが今ではだいぶ上がりましたね。
売る方としたら、モノが非常に少ないので成約はすぐに期待できるでしょう。問題の価格ですが、遠見塚で坪25万~40万円、南小泉、中倉周辺で坪45万円~70万円までだと思いますが、中倉の公示価格はだいぶ高いですね。周辺の実取引額がそれだけ高いという事もあると思いますが、アパート用地など程よい大きさの土地がまだ残っているエリアなのだと思います。
若林区内、南のエリアもみていきましょう。
公示価格(基準価格含む)
古城3-16-5-3 10万9000円/m2 36万0330円/坪
若林1-11-14 9万8300円/m2 32万4958円/坪
若林3-5-56 11万6000円/m2 38万3471円/坪
若林5-4-39 9万5200円/m2 31万4710円/坪
若林区若林は7丁目まであり、6丁目、7丁目に関しては国道4号線の外側(東側)ですのでエリアを同じとしては括れないと思います。この辺も地価は2,3%づつは上がっています。
この辺は、道路が狭い事も多く個体差が出やすくなっていますが住みたい人は多いので、売れずに困るという事はないでしょう。実勢価格で、古城で坪30万~50万円、若林だと坪25万円~40万円ほどと思います。若林も大きな道路沿いでマンションやアパートが建てやすい場所だともう少し金額は上がると思います。若林も長町に近い場所だと坪50万ほどの取引もあります。
ちなみにその若林6丁目ですが、こうなっています。
若林6-3-28 26万4462円/坪(公示価格)
この後ご紹介する沖野エリアと近い数字になっていますが、最寄り駅までだいぶ離れますのでこのくらいでしょう。実勢価格としても坪30万程度です。
沖野3-9-15 28万9586円/坪
沖野6-32-7 28万5950円/坪
上飯田1-17-41 29万7520円/坪
上飯田2-19-60 25万4545円/坪
若林区内でも少ない1種低層住居専用地域を含むのこの沖野のエリアです。
住宅街ですので、当窓口でも毎年のようにお取引があります。公示価格と実勢価格でさほどかわらないですが、沖野周辺は常に需要のあるエリアですので、沖野内の土地でも良い個体差があれば坪35~40万円までは行く可能性があります。
今泉エリアの公示価格はこうなっています。
今泉2-15-38 23万5702円/坪
今泉1-19-38 25万7851円/坪
田も多く見られ美しく静かなところですよね。
実勢価格としても20万~30万と公示価格と変わらないですが、狭いエリアですので売り物は多く出ないと思います。探している人も多くないでしょうから、売却には少し時間がかかるかもしれません。
最後の六丁の目・荒井周辺の前に自衛隊基地「霞目駐屯地」周辺を見ていきましょう。
地名としては、かすみ町、霞目です。
かすみ町22-7 32万0661円/坪
霞目2-10-7 28万7603円/坪
クロスモール仙台荒井が出来て、周辺は利便が良くなりましたね。
しっかりと区割りは出来て整然と住宅が並んでいるのですが、昔の設計ですので道路幅が狭く幅員4メートル、5メートルの場所も多く見られます。少しづつ売り買いは進んでいますので、地価も上昇はするでしょうが、周辺を狙っている人はまずは荒井方面の地下鉄徒歩圏を目指すでしょうから、どこかで地価も落ち着くでしょう。
かすみ町の実勢価格としては、坪25万円~40万円程度。霞目は良い場所でも30万~35万円程度です。
さて、最後は六丁の目・荒井周辺です。
伊在2丁目2番8外 48万9256円/坪
荒井2丁目11番18外 49万5867円/坪
荒井7丁目24番3外 44万6280円/坪
六丁の目南町8番14 43万9669円/坪
六丁の目中町11-31 42万9752円/坪
仙台市市営地下鉄東西線の事業化決定から完成までだいぶ動きも鈍かった印象ですが、ぼちぼちようやく県外企業の進出が相次ぎにぎわってきました。県外から来た方からも「とにかく利便が良いので住みたい」と言う声を多く聞きますが、新しめのマンションの供給も全然足りていません。大きめの分譲マンションの建築も進んでいますが、賃貸も分譲もまだまだこれからでしょう。30年前頃のまだ景気がギリギリ良かった時期に建てられたマンションが多いですがそれでも満室状態が続いています。
伊在、荒井まだまだ空き地、古屋も残っていますが地主さんが抑えている土地も多く売り物はまだまだ少ないですね。実勢価格で坪60万~80万円程度。六丁の目の駅に近いエリアだと100万近い場所もありますが、まだまだ上がっているのでどこまで上がっていくか。
プロの不動産業者もこの近年の仙台の地価に対し「高い、高い・・・もうぼちぼち」と言い続けてしかしそれよりさらにまた高くなっていますから天井が見えません。
さて、
だいぶボリュームの多い記事になりましたがいかがでしょうか。皆様にご参考にしてもらいたくて実勢価格を書いておりますが、当然ながら、個々の土地により金額は微増減しますし、面積や道路付けにより実勢価格がそのまま当てはまらない事の方が多いですご注意して下さい。
不動産のプロが見るのは、主に実取引価格、将来性や傾向などですが、一般の方は「一部の実取引データを拾う事」しか出来ないかと思いますので、当ブログでも何度も書いた実勢価格がわからないかと思います。
不動産はオンリーワンのモノで世界に一つしかありません。実勢価格がいかにデータとして出ているとしても、3年前のデータでは「参考」にしかなりませんし、道路を挟んだ向かいの土地の値段を単純にそこから算出は出来ません。
本ブログでは実勢価格の他に公示価格(基準価格含む)も併せてお示ししました。
公示価格はピンポイントで住所まで記載されるので、自分の家が公示価格の地に選ばれている場合もあります。下の画像は公示価格とは別に『固定資産税路線価』の数字を地図上で表したものです。
非常にわかりやすいデータですのでご紹介しますが、図は路線価です。
若林区若林周辺ですぐ先にマクドナルドがある場所です。国道4号線の西側(仙台駅側)の大きめの自転車屋さん「ダイシャリン」の目の前の数字が73,200円/㎡に対して、4号線の東側は44,900円です。いわゆる路線価ですので、公示価格の金額とは別ですが単純に比率として約1.63倍です。公示価格や、実取引地は当然ながら全ての地点である訳ではないので、客観的な土地の価値を図る時にはこういった指標は大いに役立ちます。
不動産会社さんは実勢価格を算出する際の「参考」としてこういったデータを参照します。でもこれが全てではありませんし、こういったデータを見ない不動産会社さんも多いです。
大事な事は不動産の価値を正しく知る事です。
特に最近は同居していない県外にお住いの息子さん娘さんが相続なさるケースがかなり多いです。
土地勘のない方に対しても丁寧なご説明をし査定金額のご提示をお約束します。建物が付いている場合の査定についても多くご相談頂いておりますのでご安心下さい。
実は不動産の売却は難しくはありません。
難しいのは「相場より高く、通常より良い条件で売る」 ”これが難しい”のです。
賢く、お得に不動産売却を成功可能な不動産業者はそこまで多くはありません。
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