[宮城県名取市相互台] プロが教える不動産売却の相場事情【土地 戸建 建物】2023年版

|| 団地とは ― 住宅を計画的、集団的に建てた区域の事  ||


このシリーズでは「団地相場」と銘打ってますが、計画的ではない住宅地も仙台近郊には多くありますので、併せてご紹介いたします。

今回取り上げるのは名取市「相互台」です。

国道4号線が南北を貫く名取市ですが、国道4号線の市中開通が1964年です。その後住宅地(団地)が多くが誕生しますが、本格的な開発が始まったのは1980年以降です。

1985年 相互台・ゆりが丘
1986年 那智が丘
1992年 みどり台
1992年 愛島台
1997年 愛の杜
1999年 相互台東
1999年 愛島東部第2
(全て造成開始時期であり、分譲開始時期ではありません)

ざっと紹介するとこんな感じで、まだまだ造成から20年~30年と言った団地が多いですが、相互台は既に40年弱が建っていますのでぼちぼち売り物が出てきています。

とはいえ、
分譲開始すぐにおうちを建てた人でもまだ30~35年ちょっとですのでまだ建物を壊すほど古くは無い、という事で中途半端な時期ではあります。

取引事例を見てもほとんどが建物付きで中古戸建てのしての販売ばかりです。

まずは公示価格(基準値含む)を見ていきましょう。

相互台1丁目8-14  10万9090円/坪

上記住所は、相互台一帯を分譲販売している創建ホームさんから約130メートルほどの地点です。グーグルマップを出しておきましょう。


街中の場合ですと、「公示価格より実勢価格の方が高い」のが通常ですが、郊外ほど「実取引額と公示価格が近くなりがち」です。逆に田舎に行くと公示価格の方が高くなるという逆転現象が当たり前に見られます。
田舎はあまり公示価格を下げすぎると税金が全然取れなくなっちゃうのであまり下げないようです・・・・が、税金取られる側としては「そんな理由かよ」って感じですよね。









さて、実勢価格はどうなっているでしょうか。

実は土地だけの取引がここ何年かは登録がありません。よって土地の価格をお出しするのが少し難しいのですが、建物付きの中古戸建ての事例を見てみましょう。

【リアルな取引の履歴です】

①宮城県名取市相互台4丁目
1,680万円
土地:224.63㎡
建物:118.82㎡
築年:1995年(平成 7年) 2月
成約日:令和 4年10月 1日
――――――――――――――――――――
②宮城県名取市相互台1丁目
950万円
土地:210.15㎡
建物:125.92㎡
築年:1990年(平成 2年)10月
成約日:令和 4年 9月28日
――――――――――――――――――――
③宮城県名取市相互台2丁目
1,150万円
土地:236.23㎡
建物:143.21㎡
築年:1990年(平成 2年) 6月
成約日:令和 4年 8月28日
――――――――――――――――――――
④宮城県名取市相互台1丁目
1,300万円
土地:221.83㎡
建物:116.34㎡
築年:1991年(平成 3年) 9月
成約日:令和 4年 6月26日
――――――――――――――――――――
⑤宮城県名取市相互台2丁目
1,150万円
土地:228.98㎡
建物:117.16㎡
築年:1990年(平成 2年) 2月
成約日:令和 4年 5月20日

この数か月だけでも取引がかなりありました。


通常建物の査定は、築年が35年程度過ぎているとゼロ円もしくはマイナス査定です。事例を見ますと①以外は全て築30年オーバーですからほとんど査定はゼロに近い額、もしくはマイナスでしょう。(解体に費用がかかりますので)

全て建物の価値をゼロだと仮定すると、②は坪14.94万円 ③は坪16.09万円 ④は坪19.37万円 ⑤は坪16.60万円 という事になります。

ところで、相互台東にはまだ分譲中の土地があり(2022年12月時点)その価格は坪7.5万円~坪11万円ほどです。

相互台東の方が新しい町ですし街並みもキレイですが、学校は相互台にありますしどちらが魅力的な町か私にはわからないですが、いずれにしても坪10万円程度でないと売れない町ではあるのでしょう。

そう考えるに、上記②~⑤の事例ではもう少し高い金額で売却が出来ていますから、古くても手ごろな価格で住宅が欲しいと言う需要に対し上手くはまったとも言えると思います。上手く売却出来た感じですね。

こういう築30年くらいの住宅を売るのは結構難しいものです。




参考に、隣接町のゆりが丘の公示価格を見ていきましょう。

ゆりが丘2丁目6番13   15万2066円/坪

どうでしょうか。
当窓口でも今年ゆりが丘でお取引がありましたが、駐車スペースをうまく作れない宅地もあるので個体差が結構出てます。当窓口のお客様は坪20万ほどで売却出来ましたので、相互台より実勢価格が坪5万円ほどは違いが出ています。

最近南仙台方面に向けて少し利便が良くなりましたのでまた少し上がっていきますかね・・・。どうでしょう。、

さて、
この記事をお読みになられる方は、名取市相互台エリアに何かしらの縁がおありの方かと思います。
当然ながら個々の土地により金額は微増減しますし、面積や道路付けにより実勢価格がそのまま当てはまらない事の方が多いです。

不動産のプロが見るのは、主に実取引価格、将来性や地域性、傾向などですが、一般の方は「一部の実取引データを拾う事」しか出来ないかと思いますので、当ブログでも何度も書いた実勢価格がわからないかと思います。

不動産はオンリーワンのモノで世界に一つしかありません。実勢価格がいかにデータとして出ているとしても、3年前のデータでは「参考」にしかなりませんし、道路を挟んだ向かいの土地の値段を単純にそこから算出は出来ません。


大事な事は不動産の価値を正しく知る事です。 
ある調査によると高齢化のピークは、2054年らしいですが、最近も「相続」のご相談がかなり多くなっております。仙台に土地勘の無い方が相続される事もだいぶ増えています。

建物が付いている場合の査定についても多くご相談頂いておりますのでご安心下さい。

実は不動産の売却は難しくはありません。
難しいのは「相場より高く、通常より良い条件で売る」 ”これが難しい”のです。
賢く、お得に不動産売却を成功可能な不動産業者はそこまで多くはありません。
当窓口のように情報をオープンにしている不動産業者にご相談下さい。紹介されたから、と安易に選択しては損します。

弊社は宮城県仙台市・多賀城市・富谷市・名取市を中心に、不動産仲介をおこなっています。 相続不動産の売却についても、確かな経験と知識でサポートいたします。 そのほかにも不動産について何かお悩みがあれば、ご遠慮なくお問い合わせください。

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筆者プロフィール  ||  笠原 紀久夫 
 宅地建物取引士 / マンション管理士 / 賃貸不動産経営管理士 /ほか不動産系資格多数 

 宮城県仙台市 在住歴 40数年
『宮城・仙台が好き過ぎる宅地建物取引士』として「仙台の不動産そうだん窓口」で多数の案件のご相談・お取引に係わっています。

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