[仙台市青葉区中江] 編 不動産売却の査定相場を知ろう【土地 建物 査定】2023年版


|| 団地とは ― 住宅を計画的、集団的に建てた区域の事  ||

このシリーズでは「団地相場」と銘打ってますが、計画的ではない住宅地も仙台市内には多くありますので、併せてご紹介いたします。

当窓口では仙台市青葉区で不動産売却を検討されている方に向けて情報発信を多く行っております。売却金額のデータや事例等もご紹介していますので、こちらもご参考になさってください。

今回取り上げるのは仙台市青葉区「中江」です。

中江にある「花の湯」と言う老舗中の老舗銭湯の創業が1938年のようですから、その前から住宅が並んでいたのでしょう。ちなみに仙山線の仙台〜愛子間が開業したのが1929年です。

参考に1950年より前の航空写真をご覧いただきますが、今の街の形がなんとなく出来上がっていますね。南西側が仙台駅側ですが、この付近は中江だけがこういった綺麗な区画をしています。


今の県営住宅の所にも大きめの建物が映っていますから当時から同じような集合住宅だったのでしょうか。

戦後すぐに住むところに困った人のための住宅だったのでしょうか。今現在も変わらず道幅が狭く25~30坪程度の小さな区割りの土地が多いのが特徴です。

こういう区画は宮町3丁目にも見られますがネットであれこれ調べても文献や情報がほとんど出てこないので、図書館とか歴史資料館みたいなところに行かないと当時の事は知れないのでしょうか。











さて、早速ですが公示価格を見ていきましょう。

青葉区中江1丁目16-8  44万6280円/坪

こちらは、先ほど紹介をした「銭湯 花の湯」の南東側約50メートルの地点です。

青葉区中江2丁目21-3  30万7438円/坪

ここは仙山線の踏切そばにある「ファミリーマート 幸町2丁目店」の南側約300メートルの地点で、小田原や清水沼に抜けていく一方通行の道から少し入った地点です。この一方通行は私もよく利用しますが、そこから仙石線の線路側には曲がった事がありません。まず住民の方以外は間違っても入らない道ですね。

参考に小田原の公示価格も一か所見てみましょう。

青葉区小田原5丁目2-11 65万4545円/坪

なかなかの金額ですが、ここは「西友 小田原店」と「常盤木学園」の間くらいの地点です。


どうでしょうか。
道が狭かったり、一方通行が多かったり、行き止まりの道が多かったり、キレイな隅切りが無かったり、道路後退(セットバック)が必要だったり、そんな土地は地価が上がりにくいです。小さすぎる土地が多い町もなかなか地価が上がりません。

これが全部当てはまるのがこの中江です。

地価は上がりにくいとは言え、欲しい人は多いので公示価格以上の取引額は当たり前に多いです。
ちょっと先の小田原が坪65万の公示価格ですから、中江付近でも条件が良ければその数字に近くなってもおかしい話ではありませんね。(好条件の土地は非常に少ないですが)

せっかくなので、地図上で公示価格などを見てみましょう。


少し大きめに表示させました。画像右下の青字で「仙台青葉-15 93,000円/㎡と書いてある地点が公示価格(基準地価)の発表がある地点で、毎年発表されています。(坪ではなく㎡記載です)


良く見ると、ラインが引いてある脇には61800などと数字が書いてありますが61,800円/㎡の意味で「固定資産税路線価」です。固定資産税を納める時の指標の数字です。街中に住んでいる人は多く固定資産税を払っていますが、それぞれ細かく設定されている訳です。公示価格より低い金額で設定されるのが通常ですので、差が当然あります。 

注目すべきは小田原付近の数字です。84500や86000と言った数字が並んでいます。この中江の1.4倍くらいの数字です。何もこの辺の不動産事情を知らない人がこの数字を見たらどうでしょう。中江で1000万円の土地なら、小田原なら1.4倍の1400万円はカタイな、とすぐにわかるわけです。

実際の取引額でどこまで差が出るかは不明ですがこういった数字は客観的な指標としては非常に参考になります。一本道路がずれただけで、だいぶ金額が変わる事もある訳です。

このような資料も参考にしながら不動産の価値を見極めていくわけですが、初めてご覧になられた方も多いのではないでしょうか。


続いて問題の実取引、実勢価格がどうなっているかを見ていきましょう

20~30坪程度の住宅を建てるにはギリギリのサイズの土地の取引も多く見られるのが特徴ですが、小さめの土地だと坪単価があがりがちです。いわば街中の土地ですから、土地の坪単価は当然上がるのですが、大きすぎる土地の場合は買える人が限られてきますから、坪単価が上がりません。

例 【30坪の宅地】×【坪60万】= 1800万 → 一般の方でも買いやすい
例 【60坪の宅地】×【坪60万】= 3600万 → 一般の方だとローンを組みにくい額になり買いにくい

とはいえ、今の時代いわゆる分譲住宅(建売住宅)も多いですからこういう会社さんに買ってもらうのもアリですね。坪単価もそれほど下がらずに買ってもらえるケースが多いです。

と言う訳で、実際の取引を見ていきますと坪50万を超える取引が多く、この数年で最も高い取引は坪68万ほどでした。
逆に最も低い取引は坪40万ちょっとでしたが、これは80坪を超える広めの土地で、道幅も狭く条件が悪い土地の売買でした。

ちなみに、一般的な建坪30~40坪の2階建て住宅を解体し、整地するには安くとも160~220万程度はかかると思います。土地としての価値は1500万だけど、解体が必要だからそこから200万引いて1300万なら買えるかな、なんていう話になると思います。(つまり解体で500万かかるから、なんて言われても普通はそんなにかからないですから注意と言う事です)

ところでこの中江1丁目の方の公示価格ですが、バブル絶頂期には坪67万を超えていました。当時の熱狂ぶりがよくわかる数字ですね。
今後その水準まで上がる可能性は少ないとは思いますが、この10年はずっと数パーセントづつ上昇してますから何処までこれが続くか、ポイントですね。

2,3年前も「これがピークでもう土地価格は上昇しないんじゃないか」なんて話をよく聞きました。ここ最近もそんな話を聞きました。コロナが落ち着くのを待っている方も多いとは思いますが、今売却をしたとしても後々そう大きく後悔はしない額で売却出来るのではないかと思います。

ちなみに・・・
近年では宮城県内はどこも2010年~2012年頃が底値でしたが、その時の中江の取引額は坪18~22万程度の取引がゴロゴロありました。ちょっと我慢して持っていれば倍で売れたのに手放した方は売り急ぎしてしまいましたね。

と言う訳で・・・
もし、相談した不動産会社さんからの土地の提示金額が坪40万円を切っていたら注意ですね。勿論当窓口にもお気軽にご相談下さいね。


さて、
この記事をお読みになられる方は、青葉区中江エリアや中山周辺に不動産をお持ちだったり、相続する可能性があるなど何かしらの縁がおありの方かと思います。

不動産のプロが見るのは、主に実取引価格、将来性や地域性、傾向などですが一般の方は「一部のデータを拾う事」しか出来ないかと思いますので、当ブログでも何度も記事化している実勢価格(実取引額)がわからないかと思います。ぜひ参考になさって賢く・お得に不動産売却を成功させて下さい。

不動産はオンリーワンのモノで世界に一つしかありません。個体差により金額は微増減しますし、面積や道路付けにより取引事例がそのまま当てはまらない事の方が多いです。

実勢価格がいかにデータとして出ているとしても、何年も前のデータでは「参考」にしかなりませんし、道路を挟んだ向かいの土地の値段を単純にそこから算出は出来ません。


大事な事は不動産の価値を正しく知る事です。 
高齢化のピークは、まだ20~30年先らしいですが、最近も「相続」のご相談がかなり多くなっております。仙台に土地勘の無い方が相続される事もだいぶ増えています。

実は不動産の売却は難しくはありません。
難しいのは「より良い条件で売る」 ”これが難しい”のです。
賢く、お得に不動産売却を成功に導く不動産業者はそこまで多くはありません。
当窓口のように情報をオープンにしている不動産業者にご相談下さい。これほど情報発信し、オープンな不動産会社は県内にはありません(断言) 知人友人居に紹介されたから、と安易に処分の選択しては損します。

弊社は宮城県仙台市・多賀城市・富谷市・名取市・岩沼市・大和町・利府町を中心に、不動産仲介・買取をおこなっています。 賃貸での資産形成のお手伝いも喜んで! 相続不動産の売却についても、確かな経験と知識でサポートいたします。 そのほかにも不動産について何かお悩みがあれば、ご遠慮なくお問い合わせください。


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筆者プロフィール  ||  笠原 紀久夫 
 宅地建物取引士 / マンション管理士 / 賃貸不動産経営管理士 /ほか不動産系資格多数 

 宮城県仙台市 在住歴 40数年
『宮城・仙台が好き過ぎる宅地建物取引士』として「仙台の不動産そうだん窓口」で多数の案件のご相談・お取引に係わっています。

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