このシリーズでは「団地相場」と銘打ってますが、計画的ではない住宅地も仙台市内には多くありますので、併せてご紹介いたします。
今回取り上げるのは仙台市青葉区「水の森」です。
1960年頃から開始された水の森周辺の開発は共済組合を含むいくつかの企業が造成主体となりそれぞれ「ひばりケ丘」「 平和台」「 幸福ケ丘」と言う呼称で造成・販売がされました。ほとんどのプロジェクトが1970年には終わっていますからこの時期の急激な人口増に対応した結果ドドドっと一気に開発が進んだ訳です。
しかしながら最初に記載した通り複数の企業による別々の造成工事が行われたためか、同時期に行われたにもかかわらず全く一体感を感じない町が出来上がりました。
当時の土地造成の安全基準が甘かった点や、いわば谷のようなアップダウンの激しい土地の形状が災いし、その後の地震等の災害で多くのダメージが出たのは皆様ご存じの通りかと思います。
この画像は実際の水の森での写真ですが、今も多く残っている「玉石擁壁」です。現在の基準外の擁壁ですので、そのままではおうちは建てられません。1メートル未満の玉石擁壁ならカワイイものですが、2メートルを超えるような写真のような高さだと両隣や隣地との関係上非常に工事が難しいケースも出てきて大変な事になる事もあります。
高さや幅にもよりますが、通常は150万~300万くらいは最低かかるでしょうね。さらに建物の解体にもお金がかかり・・・
なんやかんやと引かれていって手残りが非常に少なくなりそうだから売るのをやめた、なんて話はよく聞く話です。
ところで、水の森と言えば水の森公園が浮かびますが、住所的には「泉区上谷刈」で、実際に半分以上は上谷刈なんですよね。
個人的な話をすると、「荒巻小学校」に少しだけ通った事もあり、付近に馴染みがない訳ではないのですが、水の森公園は数回しか行った事がありません。そんなもんですかね。(今は台原森林公園の方が近いのでよく行きます)
前段が長くなりましたが公示価格を見ていきましょう。
水の森だと1ヶ所のみの発表しかありませんので参考に近くの公示価格も見ていく事にします。
水の森1丁目9-6 24万5289円/坪
この場所は「荒巻コミュニティーセンター」の北側約150メートルほどの地点です。
あけぼの町9-4 30万0495円/坪
そしてこの「あけぼの町」の公示価格の地点は上記「荒巻コミュニティーセンター」の東側約70メートルの地点です。こちらの「あけぼの町」の地点の方が駅に近いですし坂もそれほどではないので、このくらいの差が出るでしょう。
東勝山2丁目17-28 28万7933円/坪
こちらは北仙台中学校の北側約200メートルの地点です。
ざっとどうでしょう。
この付近だと水の森が一番低い公示価格ですが、道が狭かったり、行き止まりの道が多かったり、キレイな隅切りが無かったり、アップダウンが激しかったり、道路後退(セットバック)が必要だったり、そんな土地は地価が上がりにくいです。
水の森はだいたい当てはまってますね。
そんな訳で厳密に査定してみるとなかなか金額が上がらずに、もう少し高く売れると思った、と言われたりする事もあります。
続いて実取引、実勢価格がどうなっているかを見ていきましょう
一番高い取引が坪38万ほどでしたが、これは水の森3丁目の取引でした。 1、2丁目よりは勾配も少なく条件が良いでしょうが、坪38万はなかなかの金額ですね。
1丁目で一番高かったのが坪28万円、2丁目だと坪27万でした。この水の森は各々の宅地により個体差が非常に出やすいのでアベレージを出すと、1丁目2丁目だと坪21万ほどです。3丁目はもう少し高く売れていますね。
ちなみに1丁目の最安だと坪5万!ほどの取引事例もありました。が、この坪5万の取引の土地は擁壁に大きな問題があり、さらに長年放置されて竹林みたいになっていた最悪な状態の宅地でした。まぁしょうがないですかね。
ちなみに、一般的な建坪30~40坪の2階建て住宅を解体し、整地するには安くても160~220万程度はかかると思います。土地としての価値は1000万だけど、解体が必要だからそこから200万引いて800万なら買えるかな、なんていう話になると思います。
(解体費用が500万を超えてくるのはマレですからそんな事を業者から言われたら要注意ですよ)
ちなみに・・・
近年では宮城県内はどこも2010年~2012年頃が底値でしたが、その時の水の森の取引額は坪10~14万程度の取引がゴロゴロありました。ちょっと我慢して持っていれば倍で売れたのに手放した方は売り急ぎしてしまいましたね。
もし、相談した不動産会社さんからの土地の提示金額が坪20万円を切っていたら注意ですね。勿論当窓口にもお気軽にご相談下さいね。
さて、
この記事をお読みになられる方は、青葉区水の森エリアや北仙台周辺に不動産をお持ちだったり、相続する可能性があるなど何かしらの縁がおありの方かと思います。
不動産のプロが見るのは、主に実取引価格、将来性や地域性、傾向などですが一般の方は「一部のデータを拾う事」しか出来ないかと思いますので、当ブログでも何度も記事化している実勢価格(実取引額)がわからないかと思います。ぜひ参考になさって賢く・お得に不動産売却を成功させて下さい。
不動産はオンリーワンのモノで世界に一つしかありません。個体差により金額は微増減しますし、面積や道路付けにより取引事例がそのまま当てはまらない事の方が多いです。
実勢価格がいかにデータとして出ているとしても、何年も前のデータでは「参考」にしかなりませんし、道路を挟んだ向かいの土地の値段を単純にそこから算出は出来ません。
大事な事は不動産の価値を正しく知る事です。
高齢化のピークは、まだ20~30年先らしいですが、最近も「相続」のご相談がかなり多くなっております。仙台に土地勘の無い方が相続される事もだいぶ増えています。
実は不動産の売却は難しくはありません。
難しいのは「より良い条件で売る」 ”これが難しい”のです。
賢く、お得に不動産売却を成功に導く不動産業者はそこまで多くはありません。
当窓口のように情報をオープンにしている不動産業者にご相談下さい。これほど情報発信し、オープンな不動産会社は県内にはありません(断言) 知人友人居に紹介されたから、とか「一括査定なら安心」とか安易に処分の選択しては損します。
当窓口は一括査定を推奨しませんし当窓口は行っておりません。
弊社は宮城県仙台市・多賀城市・富谷市・名取市・岩沼市・大和町・利府町を中心に、不動産仲介・買取をおこなっています。 賃貸での資産形成のお手伝いも喜んで! 相続不動産の売却についても、確かな経験と知識でサポートいたします。 そのほかにも不動産について何かお悩みがあれば、ご遠慮なくお問い合わせください。
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筆者プロフィール || 笠原 紀久夫
 | | 宅地建物取引士 / マンション管理士 / 賃貸不動産経営管理士 /ほか不動産系資格多数
宮城県仙台市 在住歴 40数年 『宮城・仙台が好き過ぎる宅地建物取引士』として「仙台の不動産そうだん窓口」で多数の案件のご相談・お取引に係わっています。
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