このシリーズは「団地相場」と銘打ってますが、計画的ではない住宅区域も仙台市及び近郊には多くありますので、併せてご紹介いたします。
今回取り上げるのは仙台市若林区「成田町」「三百人町」「五十人町」「六十人町」です。
前回が「椌木通」でしたのですぐお隣の町の紹介になります。よろしければそちらもご覧ください。
若林区はどこを見ても歴史深い町が多いので、歴史を掘り下げていくとキリがないのでほどほどにしておきますが、成田村の足軽が多く住んでいたから「成田町」。足軽が300人住んでいたから「三百人町」。足軽五十人衆の居住地だったので「五十人町」。足軽が60人住んでいたから「六十人町」という事で、割と雑に町の名前が付けられたお陰でだいぶややこしい町名になっています。
1960年台の付近の航空写真です(写真は国土地理院より //www.gsi.go.jp/ )
写真真ん中の上が「仙台一校」ですが、今もあまりかわりませんね。 まあ1600年過ぎには町が出来ていたようですからその頃からずっーとこんな感じなのでしょう。昔過ぎて想像がつきません。
では早速公示価格を見ていきましょう。付近では毎年1か所の公示価格が発表されています。
五十人町25-5 55万5371円/坪
こちらは五十人町にある「そば処 かんのや」の西側約100メートルの地点です。付近はあまり目印が無いのでグーグルマップを出しておきましょう。
今回取り上げている成田町や三百人町では公示価格の発表がありませんので、お隣街の公示価格を参考に見てみていくことにします。
保春院前丁5-113 65万4545円/坪
こちらの場所は、若林区役所の西側約200メートルの地点です。
八軒小路24-2 60万4958円/坪
こちらは地下鉄河原町駅の北東約300メートルの地点です。
数字を見た感じどうでしょう。坪55万~65万ですが、もう少し駅に近いエリアだとやはりもう少し地価は高いですね。
ところで地下鉄東西線の開業が2015年(平成27年)12月ですからもう7年も経ちました。五十人町のの公示価格の発表は2013年からスタートですので割と最近ですが、その時は坪32万でした。
宮城県内はどこも2012年に近年で最も低い地価を記録しているので、珍しい事ではありませんがその後上がり続けて2022年で坪55万ですからこの10年でほぼ倍です。坪10万が20万になる事はよくありますが、坪30万が坪60万になるのは相当環境の変化がないとなりません。当時(2012年頃)は実取引の額もだいぶ落ちていましたから、震災もあり慌てて土地を手放した人はもったいない事をしましたね。
では実際の公示価格と路線価を地図上で見てみましょう。
少し大きく表示させました。画像中央下部の青字で「仙台若林-3 168,000円/㎡と書いてある地点が公示価格の発表がある地点で、毎年発表されています。(坪ではなく㎡記載です)
良く見ると、赤や青のラインが引いてある脇には必ず107000などと数字が書いてありますが107,000円/㎡の意味で「固定資産税路線価」です。固定資産税を納める時の指標の数字です。街中に住んでいる人は多く固定資産税を払っていますが、それぞれ細かく設定されている訳です。公示価格より低い金額で設定されるのが通常ですので、差が当然あります。
今回の公示価格の発表地の北側に一本道路行くと、122,000円/㎡などと高いですが、駅が近くまた、道路幅が広いため地価が高くなっていますが、この道路のラインは都市計画が緩く「近隣商業地域」です。せっかくなので図で見てみましょう。
真ん中のピンク色のラインが近隣商業地域です。商業施設や大きめの建物が建てやすいエリアです。つまり土地を有効に活用できるという事で地価が高くなっている訳ですね。
と言う訳で、こういった数字を見ていくと不動産を価値を見る上で客観的な数字としては非常に参考になります。一本道路がずれただけで、だいぶ金額が変わる事もある訳です。
このような資料も参考にしながら不動産の価値を見極めていくわけですが、初めてご覧になられた方も多いのではないでしょうか。
さて、
では続いて実際の取引額がどんなものか、実勢価格を見ていきましょう。
3つの町を合わせてもそれでも小さな町ですので、あまり取引の事例がないのですが、道路幅が狭く古屋付の条件が悪い土地であっても割と高値で取引されています。
とはいえ、近年でもっとも高い数字が三百人町で坪59万円、ですから公示価格とさほどかわりませんね。続いて五十人町で坪55万。これは昨年の取引ですし、しかも商業地ではないのでだいぶ参考にして良い数字です。続いて坪54万、坪51万、坪50万と続いていますが、いずれの取引も割と最近の記録ですので、だいぶ参考になる数値と言って良いかと思います。
ちなみに・・
成田町で坪74万!という取引もありましたが、20坪ちょっとの小さい土地でした。小さめの土地は坪単価が上がりがちですが、参考程度に見ておきましょう。
ところで今回たまたま平成元年までの記録もあわせて見てみたのですが、平成3年に六十人町で坪75万!と言う取引がありました。バブル期のなごりでしょうが、なかなか良い数字です。
このくらいの高地価のエリアだと建物が付いていても関係なくで売れるのはまず間違いないので、古い建物があっても気にせずそのまま売れます。よっぽど解体が大変な立地をしていない限りボロボロの家が乗っていても関係ありません。
と言う訳で
好条件の土地であれば坪55~60万くらいまでなら期待しても良いのかもしませんね。(南道路の南東角地、南西角地など)地価はまだまだこの数年上がり続けるでしょうから売るのはもう少し待ってからでも良いかもしれませんね。学院大学が五橋に移転した影響も本格的に出て来るのはこれからでしょう。
ところで
宮城県内の多くは2012年頃に地価の底値でしたが、この頃の五十人町の周辺の取引価格は坪30万を切る取引もかなり多く見られました。今や3倍に迫る勢いです。震災の後にビックリしてすぐに土地を手放した方も多かったですが、当時はだいぶ相場が低かったですからもったいない事をしましたね。
この数年仙台市内はどこも土地不足で、そんな中で分譲住宅を専門に建てている業者さんの勢いは衰えずガンガン土地を買っていますから、一般の方が土地を買うのは難しくなってきています。『少し高いよな~』と思いつつもしょうがなく買うケースも多くあり、やはりこれは売る側としてはウレシイ事ですが、不動産業者としては実は複雑な心境で、不動産と言うのは高くなりすぎると「売りにくい」からです。当窓口のような不動産業者による売買の仲介は成功報酬制です。売れなけば1円にもなりません。大変な時代です。
建物付きの中古住宅として売却を検討されている方も多いと思います。特にこの辺はだいぶ古いおうちもありますが、建物が付いていると最大いくらくらいで売却出来るのかを出すのは一般の方ではなかなか難しいかと思いますので、そういう戸建て住宅の売却を検討されている方も個別にご相談下さいね。
こういう高地価のエリアだと、見栄え良く更地にささっとした方が良い事もあります。
と言う訳で・・・
もし、相談した不動産会社さんからの土地の提示金額が坪40万円を切っていたら注意ですね。勿論当窓口にもお気軽にご相談下さいね。
さて、
この記事をお読みになられる方は、若林区五十人町エリアや、六十人町、三百人町など地下鉄沿線エリアに不動産をお持ちだったり、相続する可能性があるなど何かしらの縁がおありの方かと思います。
当そうだん窓口のような不動産のプロが見るのは、過去数年の実際の取引価格、路線価、個体差、将来性や地域性、傾向などですが一般の方は「一部のデータを拾う事」しか出来ないかと思いますので、当ブログで紹介している実勢価格(実取引額)がわからないかと思います。不動産業者さんに相談される前にまずこの記事を見てから賢く・お得に不動産売却を成功させて下さい。
不動産は世界に一つだけのオンリーワンのモノです。その価値を見極めるのは豊富な経験と知識が必要です。
大事な事は不動産の価値を『正しく知る事』です。
仙台に土地勘の無い方が相続される事もだいぶ増えているようで、東京や関東近郊からのご相談も増えております。
実は不動産の売却は難しくはありません。
【 難しいのは「より良い条件で売る」 ”これが難しい”のです 】
賢くお得に不動産売却を成功に導く不動産業者はそこまで多くはありません。
当窓口のように情報をオープンにしている不動産会社にご相談下さい。これほど情報発信し、オープンな不動産会社は県内にはありません(断言)知人友人に紹介されたから、とか「一括査定なら安心」とか安易に処分の選択しては損します。
当窓口は一括査定を推奨しませんし当窓口は行っておりません。
弊社は宮城県仙台市・多賀城市・富谷市・名取市・岩沼市・大和町・利府町を中心に、不動産仲介・買取をおこなっています。 賃貸での資産形成のお手伝いも喜んで致します! 相続不動産の売却についても、確かな経験と知識でサポートいたします。 そのほかにも不動産について何かお悩みがあれば、ご遠慮なくお問い合わせください。賃貸で資産形成のお手伝いも致します!(売る・買うだけが不動産ではありません)
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筆者プロフィール || 笠原 紀久夫
 | | 宅地建物取引士 / マンション管理士 / 賃貸不動産経営管理士 /ほか不動産系資格多数
宮城県仙台市 在住歴 40数年 『宮城・仙台が好き過ぎる宅地建物取引士』として「仙台の不動産そうだん窓口」で多数の案件のご相談・お取引に係わっています。
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