[仙台市宮城野区原町]編 不動産売却の査定相場を知ろう【土地 建物 査定】2023年版

|| 団地とは ― 住宅を計画的、集団的に建てた区域の事  ||


このシリーズは「団地相場」と銘打ってますが、計画的ではない住宅区域も仙台市及び近郊には多くありますので、併せてご紹介いたします。

当窓口では仙台市宮城野区で不動産売却を検討されている方に向けて情報発信を多く行っております。売却金額のデータや事例、お得な情報、不動産売却の方法など、たくさんご紹介していますので、こちらもご参考になさってください。

今回取り上げるのは仙台市宮城野区「原町」です。

仙台市では1970年頃から「住居表示制度」によりいわゆる”住所名”が順次整理をされ、この原町も「原町小田原」「原町南目」「原町苦竹」であった住所が現在の原町1~6丁目に変更がされています。
今現在この知識が不動産の売買に役に立つのかと言う疑問をお持ちの方もおられると思いますが、古くから土地や建物をお持ちの方は”当時の住所で”権利証などをお持ちなので、場所が一致していても今現在の住所名と一致しない事はよくある事ですので、全く意味がない訳ではありません。一般の方は法務局等でこの住所変更については確認が出来ます。

ちなみに「原町南目」については、鉄砲町との間に一部まだ残っていますし、「原町苦竹」も地名が少し残っているようで完全になくなった訳ではないですね。

古い権利証の話をしてしまいましたのでついでにマメ知識としてご紹介しますが、「権利証」(登記済み証)は現在は正式に「登記識別情報」という呼び方をしますが、提出後の権利証は原本が戻ってきますから、いくつも不動産をお持ちの地主さんなんかは、今現在有効ではない権利証をたくさんお持ちだったりします。コレクションとしてお持ちになるのは良いですが、何も知らないお子さん等がそれを見てびっくりするケースもありますので注意です(笑) 

1960年台の原町付近の航空写真です(写真は国土地理院より //www.gsi.go.jp/ )



画像の中央やや右側に原町駅の形が見えます。中央の太いラインは45号線ですね。画像左上の方は「清水沼」付近ですが、まだまだ田んぼが広がっているのが面白い所です。



では早速公示価格を見ていきましょう。原町では毎年3か所の公示価格が発表されています。

原町1丁目3-11 41万9834円/坪
こちらは五輪にあるNTTから45号線を挟んで、北側約100メートルの地点です。グーグルマップを出しておきます。


原町2丁目3-45  50万9090円/坪
こちらの場所は45線沿いにある「七十七銀行 仙台原町支店」の東側約100メートルの地点です

原町4丁目4-17  26万3140円/坪
こちらは原町の「中央自動車学校」のすぐ隣接地です。

同じ原町でも坪26万~坪50万とだいぶ差がありますね。原町も奥の方の4丁目等はJRの車両基地や、新幹線の線路もありますし、何より道幅がだいぶ狭いのがかなりのマイナスポイントですよね。すぐ近くの清水沼3丁目2-6 こちらは先ほどの原町4丁目4-17と直線距離にして約500メートルしか離れていないのですが、 31万5702円/坪と約5万円も坪単価が高くなっています。正直そんな差があるとは思えないですが、公示価格は差が付いていますね。

では実際の公示価格と路線価を地図上で見てみましょう。


少し大きめに表示させました。画像中央右部の青字で「仙台宮城野-32 79,600円/㎡と書いてある地点が公示価格の発表がある地点で、毎年発表されています。(坪ではなく㎡記載です)


良く見ると、ラインが引いてある脇には必ず55700などと数字が書いてありますが55,700円/㎡の意味で「固定資産税路線価」です。固定資産税を納める時の指標の数字です。街中に住んでいる人は多く固定資産税を払っていますが、それぞれ細かく設定されている訳です。公示価格より低い金額で設定されるのが通常ですので、差が当然あります。 

画像西側は清水沼、小田原エリアですが、 85,200円/㎡や95,200/㎡と、原町4丁目付近と比べると2倍近い数値も並んでいます。実際の取引額で倍の差が出るとは思いませんが、不動産を価値を見る上で客観的な数字としては非常に参考になります。一本道路がずれただけで、だいぶ金額が変わる事もある訳です。まぁ、どちらに住みたいかと言われたら小田原の方を選ばれる方が多いと思いますが、つまりそれが地価に跳ね返っている訳です。

このような資料も参考にしながら不動産の価値を見極めていくわけですが、初めてご覧になられた方も多いのではないでしょうか。


さて、
では続いて実際の取引額がどんなものか、実勢価格を見ていきましょう。

原町4丁目や5丁目など北側の梅田川に近ければ近い方が価格が下がるのは傾向として見えますが、それよりも道路幅、地形が問題になって売値が上がらないケースがほとんどです。


例えば、4丁目、5丁目の奥の方でも道路幅がしっかりとれていて、土地の形も良く、程よい土地のサイズであれば、坪40万~45万程度の取引も多くみられます。が、逆に変形地やセットバックが必要なほど道路幅が狭かったり、その土地に行くまでの道が大変な道だったりと難のある土地がこのエリアは非常に多いです。


1~3丁目の商業地域エリア(45線沿い)で、事例として確認出来る一番の高値で坪72万ですが、表に出ない話でもう少し高い金額を聞いたこともあります。仙台駅近郊の街中のエリアは特にそうですが、表に出ない取引もかなり多いので、データベースだけを見ていてもわからない事が多く注意ですね。


一般住宅地向けの土地となると、坪40万~55万ほどで7割くらいは収まっていますが、中には坪20~25万程度の取引も多く見えるのは先に紹介したような難のある土地が多いからでしょうね。古くボロボロの家であってもどうせ解体しますのであまり関係はありませんよ。


ちなみに、一般的な建坪30~40坪の2階建て住宅を解体し、整地するには安くても160~220万程度はかかると思います。平均すると250万くらいでしょうかね。土地としての価値は2000万だけど、解体が必要だからそこから250万引いて1750万なら買いたいなぁ、なんていう話になると思います。
(解体費用が500万を超えてくるのはマレですからそんな事を業者から言われたら要注意ですよ)

ちなみにこういう利便のより高地価エリアだと売れずに困る、という事はまずないでしょうから見栄え良くするためにもささっと更地にした方が良い事もあります。

ところで、仙台市内の地価はほとんどのエリアで2011年、2012年頃に最も低い数字を記録していますが、この原町エリアの取引を見ても、坪16万!なんていう低い金額の取引も見られました。条件の悪い土地ではありますが、今なら倍でしょう。 特に震災後に低い金額で土地を手放した方が多かったですが、ちょっともったいない事をしましたね。

この数年仙台市内はどこも土地不足で、そんな中で分譲住宅を専門に建てている業者さんの勢いは衰えずガンガン土地を買っていますから、一般の方が土地を買うのは難しくなってきています。『少し高いよな~』と思いつつもしょうがなく買うケースも多くあり、やはりこれは売る側としてはウレシイ事ですが、不動産業者としては実は複雑な心境で、不動産と言うのは高くなりすぎると「売りにくい」からです。当窓口のような不動産業者による売買の仲介は成功報酬制です。売れなけば1円にもなりません。大変な時代です。

と言う訳で・・・
もし、相談した不動産会社さんからの土地の提示金額が坪38万円を切っていたら注意ですね。勿論当窓口にもお気軽にご相談下さいね。


さて、
この記事をお読みになられる方は、宮城野区原町エリアや、苦竹や原町駅付近に不動産をお持ちだったり、相続する可能性があるなど何かしらの縁がおありの方かと思います。

当そうだん窓口のような不動産のプロが見るのは、過去数年の実際の取引価格、路線価、個体差、将来性や地域性、傾向などですが一般の方は真偽の不明な「一部のデータを拾う事」しか出来ないかと思いますので、当ブログで紹介している実勢価格(実取引額)ご参考にして頂いて賢く・お得に不動産売却を成功させて下さい。

不動産は世界に一つだけのオンリーワンのモノです。その価値を見極めるのは豊富な経験と知識が必要です。


大事な事は不動産の価値を『正しく知る事』です。 正しい価値を誤ってしまうとスタートラインが間違っているということになります。
仙台に土地勘の無い方が相続される事もだいぶ増えているようで、東京や関東近郊からのご相談も増えております。

実は不動産の売却は難しくはありません。

【 難しいのは「より良い条件で売る」 ”これが難しい”のです 】

賢くお得に不動産売却を成功に導く不動産業者はそこまで多くはありません。
当窓口のように情報をオープンにしている不動産会社にご相談下さい。これほど情報発信し、オープンな不動産会社は県内にはありません(断言)知人友人に紹介されたから、と安易に処分の選択しては損します。

弊社は宮城県仙台市・多賀城市・富谷市・名取市・岩沼市・大和町・利府町を中心に、不動産仲介・買取をおこなっています。 賃貸運用や投資での資産形成のお手伝いも喜んで致します! 相続不動産の売却についても、確かな経験と知識でサポートいたします。 そのほかにも不動産について何かお悩みがあれば、ご遠慮なくお問い合わせください。(売る・買うだけが不動産ではありません)


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筆者プロフィール  ||  笠原 紀久夫 
 宅地建物取引士 / マンション管理士 / 賃貸不動産経営管理士 /ほか不動産系資格多数 

 宮城県仙台市 在住歴 40数年
『宮城・仙台が好き過ぎる宅地建物取引士』として「仙台の不動産そうだん窓口」で多数の案件のご相談・お取引に係わっています。

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