[宮城県利府町加瀬]編 不動産売却の査定相場を知ろう【土地 建物 査定】2023年版

|| 団地とは ― 住宅を計画的、集団的に建てた区域の事  ||


このシリーズは「団地相場」と銘打ってますが、計画的ではない住宅区域も仙台市及び近郊には多くありますので、併せてご紹介いたします。

今回取り上げるのは宮城県利府町「加瀬」です。
だいぶ昔からある町ですが、「ヨークベニマル 利府野中店」が新規開店した2005年頃に付近一帯が開発され、昔からの住宅地と新しい住宅地の混在する町となりました。

東側がすぐに塩竈市になりますが、この辺はフラットな土地も多くのんびりした雰囲気があって、生活がしやすい街ですよね。「イオンモール新利府」までは歩くと20~30分かかりますので、歩くには少し遠いですが、車ならすぐですので便利も良いです。

前回の利府の記事は「青葉台」でした!よろしければ併せてご覧下さい!

さて、まずはこちらをご覧頂きましょう。
1980年台初頭の利府町加瀬付近の航空写真です(写真は国土地理院より //www.gsi.go.jp/ )



現在は画像中心付近を南北に三陸自動車道「利府塩竈IC」が通っていますが、この頃は無かった時期です。ちなみに、画像中心やや右下の白い部分が現在ヨークベニマルがある場所です。だいぶ変わりましたね。



では
早速公示価格を見ていきましょう。利府町加瀬では、毎年2か所で公示価格の発表があります。

加瀬字十三本塚162-16  12万3966円/坪
こちらは先ほどから紹介している「ヨークベニマル 利府野中店)」の北側約100メートルの地点です。新しい町の方ですが、行き止まりの宅地ですのであまり条件はよくありませんね。

加瀬字野中沢124-33  14万5123円/坪
こちらの場所は「みやぎ生協 塩釜栄町店」の北側約200メートルの地点です。グーグルマップを出しておきます。


加瀬野中沢は道路を挟んですぐに塩竈ですが、この辺を知らない人は全然気づかないでしょうね。

2つの地点を見てもらい坪12万~坪14万円ですが、数字を見ていかがでしょうか?

すぐ隣の塩竈は地価が下落している地点がたくさんあるのですが、利府に関してはほぼ全ての地点で上昇しています。基本的に仙台市の地価が上昇しているうちは同様に上昇傾向が続くでしょうね。

では実際の公示価格と路線価を地図上で見てみましょう。


少し大きめに表示させました。画像左上の青字で「利府-5 36,000円/㎡」と書いてある地点が公示価格(基準地価)の発表がある地点で、毎年発表されています。(坪ではなく㎡記載です)

良く見ると、ラインが引いてある脇には必ず30500などと数字が書いてありますが30,500円/㎡の意味で「固定資産税路線価」です。固定資産税を納める時の指標の数字です。地価の高いエリアにお住いの方は多くの固定資産税をお支払いですが、このように細かく設定されている訳です。公示価格より低い金額で設定されるのが通常ですので、差が当然あります。 

画像右側は塩釜市向ヶ丘ですが、数字を見ると22900だったり23400だったりと、加瀬付近よりは2割程度は低い金額です。

こういった違いが実際の実取引にどこまで反映されるかは微妙なところですが、このように一路ずれただけでだいぶ金額が変わる事もある訳です。

なんとなく町並がキレイだからみたいな単なる印象ではなくこういった客観的な数字も参考にしながら不動産の価値を見極めていくわけですが初めてご覧になられた方も多いのではないでしょうか。


さて、
続いて実際の取引額はどうなっているでしょう。実勢価格を見ていきましょう。

令和4年に入ってからの取引数は15件ほどでそこまで多くありません。一番高い取引が坪29万ですが、更地ですぐに建物を建てられる状態の土地です。上物が残った状態だと当然解体費用の分だけ金額が通常下がりますが、ほとんどの取引額が1500万円以内ですので、解体費用の占めるウェイトが多いですね。

先ほど令和に入ってからの取引が15件ほどである事はご紹介した通りですが、そのうち300㎡以上の土地の取引が6件と多いです。これはヨークベニマル周辺の新しい地区ではなく、古い方の農家住宅であったりする事を意味します。こちらの取引額はやや下がり12万~18万程度です。大きい土地の場合、一般の方はなかなか買わない(買えない)ので通常は不動産会社さんなんかに買ってもらう事が多いと思います。

建物を解体し、水道下水を整備し、測量を行い土地をキレイにして販売するので色々と経費が掛かるので、大きい土地の場合は坪単価が下がるのが通常です。

ちなみに宮城県内のほとんどの地点で2011年、2012年頃に最も低い数字を記録していますが、この利府町加瀬エリアの取引を見ても、そのほとんどの取引が坪7.8万程度の低い金額の取引でした。今や倍になっていますから、その頃に手放した方はもったいなかったですね。

この数年仙台市内はどこも土地不足で、そんな中で分譲住宅を専門に建てている業者さんの勢いは衰えずガンガン土地を買っていますから、一般の方が土地を買うのは難しくなってきています。『少し高いよな~』と思いつつもしょうがなく買うケースも多くあり、やはりこれは売る側としてはウレシイ事ですが、不動産業者としては実は複雑な心境で、不動産と言うのは高くなりすぎると「売りにくい」からです。当窓口のような不動産業者による売買の仲介は成功報酬制です。売れなけば1円にもなりません。大変な時代です。

ちなみに、一般的な建坪35~40坪の2階建て住宅を解体し、整地するには安くても160~220万程度はかかると思います。平均すると250万くらいでしょうか。土地としての価値は2000万だけど、解体が必要だからそこから250万引いて1750万なら取引したい、なんていう話になると思います。
(解体費用が400万を超えてくるのはマレですからそんな事を業者から言われたら要注意ですよ)

土地の取引と同じくらいの件数で中古戸建ての取引もあります。築30年オーバーの住宅でも結構な数が取引がされていますからなかなかのものです。

と言う訳で・・・
もし、相談した不動産会社さんからの土地の提示金額が坪15万円を切っていたら注意ですね。古屋付の場合は色々と条件が異なりますから個別の案件についてはお気軽にご相談下さいね。


さて、
この記事をお読みになられる方は、利府町加瀬エリアや「利府駅」付近など不動産をお持ちだったり、相続する可能性があるなど何かしらの縁がおありの方かと思います。

当そうだん窓口のような不動産のプロが見るのは、過去数年の実際の取引価格、路線価、個体差、将来性や地域性、傾向などですが一般の方は真偽の不明な「一部のデータを拾う事」しか出来ないかと思いますので、当ブログで紹介している実勢価格(実取引額)ご参考にして頂いて賢く・お得に不動産売却を成功させて下さい。

不動産は世界に一つだけのオンリーワンのモノです。その価値を見極めるのは豊富な経験と知識が必要です。


大事な事は不動産の価値を『正しく知る事』です。 正しい価値を誤ってしまうとスタートラインが間違っているということになります。
仙台に土地勘の無い方が相続される事もだいぶ増えているようで、東京や関東近郊からのご相談も増えております。

実は不動産の売却は難しくはありません。

【 難しいのは「より良い条件で売る」 ”これが難しい”のです 】

賢くお得に不動産売却を成功に導く不動産業者はそこまで多くはありません。
当窓口のように情報をオープンにしている不動産会社にご相談下さい。これほど情報発信し、オープンな不動産会社は県内にはありません(断言)知人友人に紹介されたから、と安易に処分の選択しては損します。

弊社は宮城県仙台市・多賀城市・富谷市・名取市・岩沼市・大和町・利府町を中心に、不動産仲介・買取をおこなっています。 賃貸運用や投資での資産形成のお手伝いも喜んで致します! 相続不動産の売却についても、確かな経験と知識でサポートいたします。 そのほかにも不動産について何かお悩みがあれば、ご遠慮なくお問い合わせください。(売る・買うだけが不動産ではありません)

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筆者プロフィール  ||  笠原 紀久夫 
 宅地建物取引士 / マンション管理士 / 賃貸不動産経営管理士 /ほか不動産系資格多数 

 宮城県仙台市 在住歴 40数年
『宮城・仙台が好き過ぎる宅地建物取引士』として「仙台の不動産そうだん窓口」で多数の案件のご相談・お取引に係わっています。

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