[仙台市青葉区旭ケ丘]編 不動産売却の査定相場を知ろう【土地 建物 査定】2023年版

|| 団地とは ― 住宅を計画的、集団的に建てた区域の事  ||


このシリーズは「団地相場」と銘打ってますが、計画的ではない住宅区域も仙台市及び近郊には多くありますので、併せてご紹介いたします。

当窓口では仙台市青葉区で不動産売却を検討されている方に向けて情報発信を多く行っております。売却金額のデータや事例等もご紹介していますので、こちらもご参考になさってください。

今回取り上げるのは仙台市青葉区「旭ケ丘」です。
仙台の中心部から約5キロと利便の良い街ですが、何より地下鉄南北線「旭ケ丘」がありますから主に住宅地として人気があります。町としては、そこまで大きい訳ではなく、東側の鶴ケ谷・南光台方面は傾斜地が多いため、住宅地して難のある土地も多いです。何より町としての造成時期から50年以上経過していますので、道幅も狭いエリアも多いのでゴチャっとした地域ではあります。とはいえ、ここまで利便が良くなってしまうと関係なく人気はありますね。

1980年台初頭の旭ケ丘付近の航空写真です(写真は国土地理院より //www.gsi.go.jp/ )


画像中心に見える空地が旭ケ丘や青年文化センター、地下鉄駅のある地点です。地下鉄が出来ていない時期の画像ですが、まぁこの頃からこうしてみるとだいぶ変わったものです。住宅は驚くほどビッシリ建っていますね。

擁壁もだいぶ古くなっていて今の基準に耐えられないケースも増えてきています。明らかに古そうな擁壁を抱えているおうちの場合は要注意ですね。


では
早速公示価格を見ていきましょう。青葉区旭ケ丘では、毎年1か所で公示価格の発表があります。

旭ケ丘3丁目14-23  43万3057円/坪
こちらは「旭ケ丘小学校」や「旭ケ丘児童館」すぐ東側50メートルの地点です。グーグルマップを出しておきまましょう。

付近だと小松島でも公示価格の発表がありますが、小松島3丁目で坪34万です。台原駅のそばだともう少し高くて坪56万ほど。そしてこの旭ケ丘で坪43万円です。この旭ケ丘の地点は2021年からの発表ですのでまだ3年分しか遡れないですが、まずまず良い価格が付いていると言って良いと思います。

何せ駅の西側は台原森林公園が広がっていて、せっかくの駅前の高地価になるべき地点が森林となっていますので、住宅を求めるなら東側になります。が、先に記載していたように非常に古い団地ですので、住みたいと思ってなかなか土地が手に入らないですよね。そういった希少性も高地価の要因になります。

台原駅前の地価が坪56万ほどである事は先ほど記載した通りですが、近年宮城県内で最も地価が低かった2012年の公示価格は坪35万でした。この10年でどんだけ上がっているんだと思いますが、仙台市のほとんどの地点でこのくらいは上がっていますから、この旭ケ丘でもそのくらいのイメージで上がっている感があります。

東日本大震災の際に、解体費用がほとんどかからずに住宅を壊せた関係で手放した方も多かったですが、少し待てばだいぶ上がっていましたね。

では実際の公示価格と路線価を地図上で見てみましょう。


少し大きめに表示させました。画像中央やや上の青字で「仙台青葉-9 131,000円/㎡」と書いてある地点が公示価格(基準地価)の発表がある地点で、毎年発表されています。(坪ではなく㎡記載です)


良く見ると、ラインが引いてある脇には必ず80300や105000などと数字が書いてありますが80,300円/㎡の意味で「固定資産税路線価」です。固定資産税を納める時の指標の数字です。地価の高いエリアにお住いの方は多くの固定資産税をお支払いですが、このように細かく設定されている訳です。公示価格より低い金額で設定されるのが通常ですので、差が当然あります。 

駅から東側(右側)に離れていくと、数字が低くなっているのがわかりますが、数字を見ると1~2割程度は差がありますね。つまり駅前の相場が坪60万だとしたら、少し離れてたところで坪50~55万程度が相場でしょう、と誰が見てもわかる訳ですね。
問題は駅前の相場を正確に知る方法が一般の方にあるか、どうかですが、これはなかなか分からないかもしれませんね。信頼出来る不動産業者がいかに重要か、と言うところです。最初の基準が間違えば全て狂ってきます。

実際にこういった違いが実際の実取引にどこまで反映されるかは微妙なところですが、このように一路ずれただけでだいぶ金額が変わる事もある訳です。

単なる印象論ではなく客観的な数字も当然見ながら不動産の価値を見極めていくわけですがご覧になられるのが初めての方も多いのではないでしょうか。


さて、
続いて実際の取引額はどうなっているでしょう。実勢価格を見ていきましょう。

令和に入ってからじつに土地だけで60数件の取引が見られましたので、非常に多いと言って良いと思います。高値で売れる時期という事もあるので、今がチャンスと取引が多いのかもしれません。

擁壁に問題を抱えている古い宅地も多いのがこの旭ケ丘ですので、もし問題無くあまり高低差の無い土地の場合、坪45万~55万程度までが現在の相場でしょうね。幅があるのは駅まで距離です。当然近ければ近いほど高く売れます。住所が旭ケ丘であれば駅まで15分程度が一番通り距離かと思います。坪40万はカタイでしょうね。

擁壁が玉石擁壁だったり、ブロック積で今の基準に合わない土地も多くありますが、坪30万~35万程度の取引が1番多く見られます。単純に、問題のない土地で 50坪の土地×坪50万=2500万円 ここから擁壁工事や整備費用を引いた額、例えば700万円引いて【1800万円÷50坪=坪36万円】となります。
問題は擁壁工事が700万円で収まるか、という話になってきて、実際にはものすごく高い擁壁を組んだり工事が大変になったりして多額の費用が掛かる事があります。

ちなみに、過去をどこまで遡っても坪60万円を超えた取引は1度もありませんでした。そこまで行くと高望みというものでしょう。
逆に2012年頃の近年で最も1番土地値が低かったころは坪30万程度の取引ばかりでした。その頃に手放した方は少しもったいない事したかもしれませんね。

この数年仙台市内はどこも土地不足で、そんな中で分譲住宅を専門に建てている業者さんの勢いは衰えずガンガン土地を買っていますから、一般の方が土地を買うのは難しくなってきています。『少し高いよな~』と思いつつもしょうがなく買うケースも多くあり、やはりこれは売る側としてはウレシイ事ですが、不動産業者としては実は複雑な心境で、不動産と言うのは高くなりすぎると「売りにくい」からです。当窓口のような不動産業者による売買の仲介は成功報酬制です。売れなけば1円にもなりません。大変な時代です。

ちなみに、一般的な建坪35~40坪の2階建て住宅を解体し、整地するには安くても160~220万程度はかかると思います。平均すると250万くらいでしょうか。土地としての価値は2000万だけど、解体が必要だからそこから250万引いて1750万なら取引したい、なんていう話になると思います。
(解体費用が400万を超えてくるのはマレですからそんな事を業者から言われたら要注意ですよ)

土地の取引と同じくらいの件数で中古戸建ての取引もあります。築30年オーバーの住宅でも結構な数が取引がされていますからなかなかのものです。

と言う訳で・・・
もし、相談した不動産会社さんからの土地の提示金額が坪35万円を切っていたら注意ですね。駅チカの場合は坪50万を超えるケースも多いので個別の案件についてはお気軽にご相談下さいね。


さて、
この記事をお読みになられる方は、青葉区旭ケ丘エリアや地下鉄南北線「旭ケ丘駅」付近など不動産をお持ちだったり、相続する可能性があるなど何かしらの縁がおありの方かと思います。

当そうだん窓口のような不動産のプロが見るのは、過去数年の実際の取引価格、路線価、個体差、将来性や地域性、傾向などですが一般の方は真偽の不明な「一部のデータを拾う事」しか出来ないかと思いますので、当ブログで紹介している実勢価格(実取引額)ご参考にして頂いて賢く・お得に不動産売却を成功させて下さい。

不動産は世界に一つだけのオンリーワンのモノです。その価値を見極めるのは豊富な経験と知識が必要です。


大事な事は不動産の価値を『正しく知る事』です。 正しい価値を誤ってしまうとスタートラインが間違っているということになります。
仙台に土地勘の無い方が相続される事もだいぶ増えているようで、東京や関東近郊からのご相談も増えております。

実は不動産の売却は難しくはありません。

【 難しいのは「より良い条件で売る」 ”これが難しい”のです 】

賢くお得に不動産売却を成功に導く不動産業者はそこまで多くはありません。
当窓口のように情報をオープンにしている不動産会社にご相談下さい。これほど情報発信し、オープンな不動産会社は県内にはありません(断言)知人友人に紹介されたから、と安易に処分の選択しては損します。

弊社は宮城県仙台市・多賀城市・富谷市・名取市・岩沼市・大和町・利府町を中心に、不動産仲介・買取をおこなっています。 賃貸運用や投資での資産形成のお手伝いも喜んで致します! 相続不動産の売却についても、確かな経験と知識でサポートいたします。 そのほかにも不動産について何かお悩みがあれば、ご遠慮なくお問い合わせください。(売る・買うだけが不動産ではありません)

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筆者プロフィール  ||  笠原 紀久夫 
 宅地建物取引士 / マンション管理士 / 賃貸不動産経営管理士 /ほか不動産系資格多数 

 宮城県仙台市 在住歴 40数年
『宮城・仙台が好き過ぎる宅地建物取引士』として「仙台の不動産そうだん窓口」で多数の案件のご相談・お取引に係わっています。

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