2023-03-14
不動産の耐震基準には「旧耐震基準」と「新耐震基準」の2種類があり、「旧耐震基準」の不動産は売却しにくいといわれています。
とくに築年数の古い不動産を売却する場合は、旧耐震基準の概要について事前に理解を深めておきましょう。
今回は、旧耐震基準とはなにか、売却しにくいといわれる理由や上手に売る方法について解説します。
宮城県の仙台市(青葉区、泉区、宮城野区、若林区、太白区)や多賀城市、富谷市で不動産売却をご検討中の方は、ぜひご参考にしてください。
\お気軽にご相談ください!/
地震が頻繁に起こる日本では、建物の耐震性能を表すための基準が法律によって定められています。
これを「耐震基準」といい、建物を新築する際には現行の耐震基準をクリアしなければなりません。
現在は、1981年6月の建築基準法の改正に伴って導入された「新耐震基準」が適用されています。
耐震基準は、大規模な地震災害が発生するたびに見直されています。
現行の新耐震基準は、1978年に発生した宮城県沖地震で大きな被害が出たことを教訓とした、耐震基準の抜本的な見直しによるものです。
現在は、耐震基準が改正された1981年6月1日を境に、改正前の耐震基準を「旧耐震基準」、改正以降の基準を「新耐震基準」と区別しています。
なお、この境となる日は「建築確認申請の受理日」です。
したがって、建築確認申請の受理日が1981年5月31日以前であれば「旧耐震基準」、1981年6月1日以降であれば「新耐震基準」となります。
旧耐震基準の不動産を売却するにあたって、新耐震基準との違いについて理解しておきましょう。
旧耐震基準と新耐震基準の違いは「耐震性能」です。
耐震性能とは建物が地震の揺れに耐える能力のことで、2つの耐震基準を比較すると以下のような違いがあります。
旧耐震基準
震度5強程度の地震では建物が倒壊しないことを目標にしています。
それ以上の地震については規定がありません。
新耐震基準
震度5強程度の地震では建物がほとんど損傷しないこと、さらに震度6強から7程度の地震が発生しても倒壊や崩壊しないことが求められています。
1981年に新耐震基準が導入されましたが、1995年に発生した「阪神・淡路大震災」によって多くの木造住宅が倒壊しました。
これを受け、2000年6月1日に、木造住宅の耐震基準をより強化するための法改正がおこなわれ、これ以降の耐震基準を「2000年基準」と呼んでいます。
この法改正で付加されたのは、以下のような項目です。
2000年までに建てられた木造住宅については、新耐震基準は満たしていても、現行の耐震基準である2000年基準を満たしていないケースが多く見られます。
したがって、売却しようとする不動産が2000年基準を満たしているかどうか、事前に確認しておくことをおすすめします。
この記事も読まれています|認知症になった親に代わって不動産売却することは可能?成年後見制度も解説
\お気軽にご相談ください!/
そもそも旧耐震基準は現行の耐震基準ではないため、「大きな地震が発生したら倒壊するのではないか」と耐震性能に不安を感じる方が多いことは否めません。
しかし、旧耐震基準の不動産が売却しにくい理由は、耐震性能への不安だけでないのです。
旧耐震基準の不動産の購入を買主がためらう理由として、以下のようなことが挙げられます。
新耐震基準が導入されたのは1981年です。
つまりそれ以前に建てられた不動産は、すでに40年以上経過しています。
日本では築浅物件を好む傾向があり、建物自体が古いという理由で築年数が古い不動産の購入を避ける方が少なくないのです。
住宅ローンを借り入れて住宅を購入した場合は、住宅ローン控除を利用することで節税できます。
ただし、中古住宅で住宅ローン控除を利用するための条件のなかに、築年数について以下のような項目が含まれています(令和4年度税制改正で経過年数基準は撤廃)。
木造の場合は20年以下、耐火建築物の場合は25年以下
旧耐震基準の不動産は、この条件を満たすことができません。
住宅ローン控除は、住宅ローンを利用する方にとっては節税効果が高い制度です。
この制度を利用できないことは、購入をためらう理由の一つになってしまうのです。
不動産を購入する方の多くは、将来地震が発生したときに備えて地震保険に加入します。
地震保険には耐震性能に応じた割引制度が設けられており、耐震性能が高い不動産ほど地震保険料は安くなるのが一般的です。
旧耐震基準の不動産には割引制度が適用されないため、地震保険料が割高になります。
このように、旧耐震基準の不動産は買主にとって多くのデメリットが生じることが、売却が困難になる理由なのです。
この記事も読まれています|認知症になった親に代わって不動産売却することは可能?成年後見制度も解説
\お気軽にご相談ください!/
では、旧耐震基準の不動産を売却するためには、どのような方法で売り出せば良いのでしょうか。
前章でお伝えしたように、たしかに旧耐震基準の不動産は買主にとって購入するデメリットが多いといえます。
しかし売却できないわけではないので安心してくださいね。
ここからは、旧耐震基準の不動産を上手に売却する方法をご説明しますので、ぜひご参考にしてください。
築年数が古い不動産を売却する場合、「リフォームしてから売り出したほうが高く売れるのでは?」と考える方がいらっしゃいます。
しかし、高額な費用をかけてリフォームし、その費用を販売価格に上乗せして売り出しても、相場より高くなれば買主はなかなか現れないでしょう。
つまり、リフォーム費用を回収することは難しいのです。
また、リフォーム後の内装や設備がニーズに合わない可能性もあります。
そこで「売主リフォーム費用負担」を物件のアピールポイントとして売り出すという方法があります。
買主は費用をかけずに自分好みにリフォームできるというメリットがあるため、早く買主が見つかるかもしれません。
旧耐震基準の不動産が売れにくい理由の一つとして、買主が住宅ローン控除を利用できないことを前章でご説明しました。
しかし住宅ローン控除を利用する条件のなかに、築年数に対する制限以外に次のような項目があります。
入居までに「耐震基準適合証明書」を取得する
この条件を満たせば住宅ローン控除が適用されるため、一戸建ての場合は耐震補強工事をおこない、「耐震基準適合証明書」を取得することをおすすめします。
「耐震基準適合証明書」を取得すると、住宅ローン控除のほかにも耐震性能が高くなることや、地震保険の割引制度が適用されるといったメリットがあるため、売却に繋がる可能性が高まりますよ。
近年、耐震性を重視する方は増えていますが、「なによりも立地を重視したい」と考える方もたくさんいらっしゃいます。
「駅まで徒歩圏内」「生活の利便性が高い」など、立地条件が良く需要が高いエリアであれば、そのまま売り出して反応を見てみると良いでしょう。
この記事も読まれています|認知症になった親に代わって不動産売却することは可能?成年後見制度も解説
旧耐震基準の不動産を売却する場合は、普通に売り出すのではなく、需要を見極めながら工夫して売り出すことが大切です。
どのような販売方法が適しているのか、不動産会社の担当者と相談しながら早期売却を目指しましょう。
弊社は、宮城県の仙台市(青葉区、泉区、宮城野区、若林区、太白区)や多賀城市、富谷市で不動産売却をサポートしております。
旧耐震基準の不動産についてもご相談に応じますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
仙台市の不動産売却 なら || 仙台の不動産そうだん窓口 || 【運営:株式会社ランドプロデュース】にお任せ下さい!
宅地建物取引士 / マンション管理士 / 賃貸不動産経営管理士 /ほか不動産系資格多数 宮城県仙台市 在住歴 40数年 『宮城・仙台が好き過ぎる宅地建物取引士』として「仙台の不動産そうだん窓口」で多数の案件のご相談に係わっています。 ※各種メディアにもご協力しております。執筆・取材のご依頼もお気軽に! ― 写真は仙台市民に最も愛されている山「泉ヶ岳にて」― |
この記事のハライト ●不動産会社と締結する媒介契約には、3種類の契約形態がある●売却にかかる期間は、3か月から半年程度が一般的●売却に必要な書類は多いため、早めに準備することが大切 「...
2023-02-23
この記事のハイライト ●空き家は現状のまま「中古住宅」か「古家付き土地」として売却できる●建物を解体し、更地にして売却することも可能●空き家は保有しているだけで費用や税金がかかってしま...
2023-04-10
この記事のハイライト ●任意売却とは住宅ローン返済不能時に債権者に了承を得て不動産を売る方法●任意売却は競売よりもメリットが多い●任意売却においては債権者との交渉が不可欠 多くの方は住...
2022-05-24
この記事のハイライト ●残置物とは、不動産に住んでいた人が退去時に残した物品のこと●残置物を残したまま不動産売却をすると買主との間でトラブルに発展する恐れがある●ゴミ処理センター・リユ...
2023-04-10
※本記事は2023年12月15日に加筆・修正を行っております。泉区は1989年(平成元年)に仙台市の政令指定都市移行と合わせて"泉市"の区域がそのまま泉区となりました。泉エリアは急激な仙台圏の人口増加に併せて昭和30年...
2023-11-16
※本記事は2023年12月15日に加筆・修正を行っています。「宮城野区」は、仙台市の北東部に位置し面積は58.19km²、人口は194,611人(2023年4月1日現在)で、東側は仙台港までと東西に横長い区です。宮城野...
2023-11-16
※本記事は2023年11月9日 加筆・修正を行っています。仙台市太白区は、仙台市を構成する5つの行政区の1つで仙台市の南西部に位置し、面積は228.4km²、人口は237,016人(2023年5月1日現在)です。あすと...
2023-11-16
※本記事は2023年12月15日に加筆・修正を行っています。仙台市若林区は、仙台市の北西部に位置する区で面積は50.86km²、人口は142,320人(2023年5月1日時点)です。名取川と広瀬川に挟まれた平坦な地形で...
2023-11-16
|| 団地とは ― 住宅を計画的、集団的に建てた区域の事 ||このシリーズは「団地相場」と銘打ってますが、計画的ではない住宅区域も仙台市及び近郊には多くありますので、併せてご紹介いたします。当窓口では仙台市若林区で不動...
2023-10-12
|| 団地とは ― 住宅を計画的、集団的に建てた区域の事 ||このシリーズは「団地相場」と銘打ってますが、計画的ではない住宅区域も仙台市及び近郊には多くありますので、併せてご紹介いたします。当窓口では宮城県富谷市で不動...
2023-10-06
|| 団地とは ― 住宅を計画的、集団的に建てた区域の事 ||このシリーズは「団地相場」と銘打ってますが、計画的ではない住宅区域も仙台市及び近郊には多くありますので、併せてご紹介いたします。当窓口では仙台市太白区で不動...
2023-09-28
|| 団地とは ― 住宅を計画的、集団的に建てた区域の事 ||このシリーズは「団地相場」と銘打ってますが、計画的ではない住宅区域も仙台市及び近郊には多くありますので、併せてご紹介いたします。当窓口では仙台市宮城野区で不...
2023-09-24
この記事のハイライト ●分筆とは登記記録上1つの土地を2つ以上に割って別々に登記する手続きである●分筆後の売却は「買主が見つかりやすくなる」「税金を抑えられる」「相続の場合はトラブルを防げる」といったメリットがある...
2023-08-11
この記事のハイライト ●負動産とは持っているだけで収支がマイナスになる不動産を指す●負動産を処分する方法は「売却する」「寄附する」「空き家バンクに登録する」方法がある●家庭裁判所に申述書を提出し受理され...
2023-08-01
この記事のハイライト ●代償分割とは「相続人の1人が遺産を引き継ぐ代わりに他の相続人に対して代償金を支払う方法」である●代償分割は「公平に分けやすい」「遺産を手元に残せる」「共有名義によるトラブルを回避できる」「相...
2023-07-02
この記事のハイライト ●不動産売却ではかかる費用の種類は9つほどある●不動産売却でかかる費用の全体の相場は「売買価格の4~6%程度」が目安になる●控除特例などを活用すれば「交通費」「譲渡所得税」といった...
2023-05-08
ここ20~30年に建てられた建物で登記をしていない、と言うケースはほとんどないですが、40年以上前の場合や、郡部(郊外)の方だと登記されていないケースがあります。注意してほしい点がありますので先に記載しますが、その売物件...
2023-04-10
『すごーーく簡単』に、不動産売却の【取引が大変な順位】を付けるとこういう並びになります。土地 < マンション
2023-04-10
いざ、売却を決意したものの、所有している不動産の書類が一切何も無い!?なんで??探しても探しても出てこない・・! 何処に行ったのだろう。 皆様いわゆる権利証(今は登記識別情報と言います)はお持ちでも、図面関係等一切紛失し...
2023-03-14
読了目安時間:6分不動産の一括査定サイトとは不動産の一括査定サイトの利用率は【ネットを頻繁に利用している方】でも2~3割のようです。不動産売却を検討し始めるとイヤでも目にする「不動産一括査定サイト」の広告ですが、何故一般...
2023-03-14